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発行/ハヤカワepi文庫
作/アントニイ・バージェス
1917年生まれのイギリスの小説家。小説の執筆以外でも、評論、作曲、脚本、詩、翻訳、エッセイ、言語学など様々な分野で活躍した才人として知られる。
本の紹介/
スタンリー・キューブリック監督映画原作にして、英国の二十世紀文学を代表するベスト・クラシック。近未来のロンドンで、クラシック音楽を愛する少年は、仲間たちと共に暴力に明け暮れる日々を送っていました。そんな中、彼はある殺人事件をきっかけに逮捕されてしまい、残忍な人格を矯正するという名目の奇妙な治療法の被験者となるのでした…。
ウルトラ・バイオレンス(暴力行為)や洗脳などのイメージが強い作品ですが、“ナッドサット”と呼ばれる、作者が生み出したオリジナルの言語も本書の特長のひとつです。小説家であり言語学者でもあったバージェス自身によって発明されたもので、奇妙で味わいのある言葉として小説の良きスパイスになっています。
また、傑作SFとしてカルト的な人気を誇る、映画『時計じかけのオレンジ』は、本作を原作としています。完全版によって追加された最終章は、映画では描かれていないので、映画版と原作を比べてみるのも面白いかもしれません。
レビュー記事/
https://edimart.jp/edimag/ichiran/p3183/
本を選んだ人/
[名前]
児玉雨子
[肩書]
作詞家・作家
[プロフィール]
A-Sketch所属。アイドル、声優、テレビアニメ主題歌やキャラクターソングを中心に作詞提供。 小説やエッセイ執筆も行う。著書『誰にも奪われたくない/凸撃(河出書房新社)』を2021年に発売。