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『蝉かえる』/選書者:太田忠司さん・作家

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発行/東京創元社 著者/櫻田智也 1977年北海道生まれ。埼玉大学大学院修士課程修了。2013年「サーチライトと誘蛾灯」で第10回ミステリーズ!新人賞を受賞。17年、受賞作を表題作にした連作短編集でデビューした。 本の紹介/ 本書の主人公は、“とぼけた切れ者”名探偵である、昆虫好きの青年・エリ沢泉(「エリ」は「魚」偏に「入」)。彼が解く虫にまつわる事件の真相はいつも、人間の悲しみや愛おしさ、慈しみを秘めていました。 そんなエリ沢をはじめとした、登場人物の人柄が物語を通じて伝わってくる点が本書の魅力。それは犯人や事件関係者であっても同じです。謎を解明するのが終着ではなく、謎の背景を読者に味わせてくれるのです。 主人公もひょうひょうとしていてユーモアが活きているのに、読んだあとにただ面白かったで済まされない。複雑な陰影を楽しめる至極のミステリーです。 レビュー記事/ https://edimart.jp/edimag/ichiran/p2415/ 本を選んだ人/ [名前] 太田忠司 [肩書] 作家 [プロフィール] 愛知県出身。本格ミステリ作家クラブ事務局長。これまでの著作数は100作以上に及び、2021年4月には新刊『麻倉玲一は信頼できない語り手 (徳間文庫)』を発売した。

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