発行/PARCO出版
著者/森下 典子
エッセイスト。『週刊朝日』のコラム「デキゴトロジー」の取材記者を経て1987年に体験記「典奴どすえ」を出版する。2002年に出版した、茶道の稽古を通じて得た気づきを記した『日日是好日 お茶が教えてくれた15のしあわせ』は、現在もロングセラーを続けている。
本の紹介/
タイトルに「絵巻」とあるように、茶器や和菓子といった著者自身が描いた73ものイラストに、言葉やエッセイが添えられています。
本書を通じて感じられるのは、春夏秋冬の移ろいの美しさ。
「春本番は、黄色に始まる」という言葉と共に描かれた、春の野原を描いた水指と菜の花、おぼろ饅頭のイラスト。
お茶室からは、こんなにも豊かな四季を色んな角度から感じられるのか、とつい羨ましくなってしまいます。
著者の描くイラストは柔らかく和やかで、見ていてとても癒されます。巻末の索引もイラストで描かれており、茶わん、茶器、香合、水指、和菓子などのイラストからページを探すことができる楽しみも。
リラックスをしながらずっと眺めたくなる、そんな一冊です。
本を選んだ人/
[名前]
水野史恵
[肩書]
ディレクター
[プロフィール]
編集プロダクション「エディマート」に所属。編集や執筆のお仕事をしています。好きな本のジャンルはエッセイ。ちょっとした幸せが垣間見えたり、疑似体験ができたり、時には書き手のダメさ加減に救われたり。忙しい毎日の中で一呼吸できるようなエッセイを中心に、書籍をセレクトします。