発行/バジリコ
著者/マルジャン・サトラピ
イランのラシュト生まれ。テヘランで成長し、フランス語学校に通う。14歳の時に国を離れ、フランスのストラスブールでイラストを学ぶ。その後、イラストは「ニューヨークタイムズ」をはじめとした、世界中の新聞や雑誌に掲載。また、児童書も数冊執筆しており、なかでもすでに30ヶ国語に翻訳されて国際的なベストセラーとして人気を博している。
訳/園田恵子
詩人。詩集『娘十八習い事』『日月譚』が話題になり、会社員を経て文芸活動に専念。国内外で詩の活動を展開するほか、作詞やエッセイストとしても活躍する。
本の紹介/
イスラーム革命、イラン・イラク戦争などのイラン激動の時代を独特のタッチのイラストで描いた自伝的グラフィックノベル。
イランの裕福な家庭で生まれたマルジだったが、小学生にのころにイスラム革命が始まり世界が一変する。突然起こった弾圧や戦争によって、友人が爆撃の犠牲となり、叔父は拷問で亡くなった。死と隣り合わせに生きながら、普通の女の子は何を思ったのかー。
革命前後のイランの状況が、一人の少女目線で淡々と語られています。戦争や革命に対する人々の思いは定かではなく、ときに揺れ動いたり、変わったりする、という当たり前を改めて教えてくれる一冊。白黒で描かれた斬新なタッチのイラストも素敵です。
イランという遠い国で起こる、日本人では理解が難しい国境や戦争の問題が、この本によって少し身近に感じられるはずです。