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発行/講談社
著者/いわさきちひろ
日本を代表する絵本画家。1918年、福井県武生(現・越前市)に生まれ、東京で育つ。東京府立第六高等女学校卒業。1973年『ことりのくるひ』でボローニャ国際児童図書展グラフィック賞等を受賞するなど受賞歴多数。物語絵本が中心だった時代に、子どもの心の繊細な内面を描き"感じる絵本"という新たな扉を開いたりと、生涯にわたり絵本の可能性を追求。原画の数は約9300点にのぼり、その作品は現在でも世代を超えて愛され続けている。1974年、55歳で死去。
本の紹介/
絵本画家・いわさきちひろの日記、エッセイ、対談をまとめた本書。
「三十年来私はこんなに人を愛したことがない。彼がいなくては絵がかけない…」。
夫・善明への愛を綴った若き日の日記は、その画風からは想像できないほど情熱的です。
ソ連やデンマークへの旅、戦争への怒り、わが子を叱ったことがないというやさしい母親ぶり、創作への尽きない意欲…。
最後に綴られた「大人になること」という晩年の文章は、読むたび涙が出ます。
絵を描くという自らの仕事、そして愛することに真摯に向き合い続けたちひろからの、心を温めてくれる言葉たち。ずっと手元に置いておきたい宝物のようなラブレターです。
本を選んだ人/
[名前]
大塚亜依
[肩書]
編集者・ライター
[プロフィール]
子どもの頃から本が好きで、言葉のもつ力に助けられてきました。編集の世界に入ったのは、本や言葉の近くにいたかったから。編集プロダクション「エディマート」に8年ほど勤め、今は子育てをしながら、フリーランスで編集や執筆の仕事をしています。本屋さんと図書館が大好きで、本とノートとペンを持って喫茶店で過ごすのが何よりの楽しみ(地味…!)。言葉の力を感じられて、元気や勇気やいろいろな感情をもらえる本、暮らしや仕事、生きることが楽しくなる本、子どもにも大人にも届けたい絵本などを中心にセレクトします。